SHOP・SHOWROOM

店舗・ショールームの事例解説

店舗・ショールームデザインのポイント


 

1.デザイン性だけでなく「集客の機能との両立」を図る
2.「商品イメージを高める」外観デザインにする
3.「展示会の集客手法」を店舗に活かす
4.「言葉」を積極的に活用する
5.「商品・製品を引き立てる」陳列にする

 
 

「店舗デザイン」と「展示会デザイン」が融合をする時。「2つの空間デザイン」

舗や住宅、建築などをデザインする際に頻出する「空間デザイン」という言葉。当社は、この「空間デザイン」には2つの種類がある、と考えています。1つは、アートとしてのデザイン性。美しい店舗、どのようなあり方をする空間なのか、ディテールの考え方など、どちらかと言えば芸術的な観点から話される空間デザインです。もう1つは、どのようにして集客するか、どうビジネスの結果を出すか、どう売るか、といったビジネス視点から空間を構成していく空間デザインの在り方です。現在の店舗デザインの多くは、「アート系空間デザイン」によって考えられる店舗が多い、と感じています。特に、インテリアデザイナーが考える店舗デザインには、この観点ばかりがフォーカスされています。もちろん、インテリアデザイナー、店舗デザイナーも集客のことは当然考えているでしょうが、結果的に「その店舗が売れるか売れないか」は、その店舗を運営する側の責任、という感覚はどうしてもあるのではないかと感じています。一方で、展示会のデザインは、3日間の会期が終了するとブースは撤去されます。このことから、集客の「責任」がブースをデザインするデザイナーに直接かかってくることになるのです。「結果」を重視する空間デザインなので、展示会デザインの手法を「ビジネス系空間デザイン」の手法、と読んでいます。「3日間で結果を出す」。だからこそ、展示会デザイナーは、様々な手法を駆使してデザインを行います。昨今、店舗の在り方は変わってきました。価格は高騰し、さらに人手不足等の理由により、出店できない事業者、持続できない事業者が多くなってきました。また、ほとんどの商業施設で、「館」への誘客を「キラーテナント」に頼り切る、という「同質化」という現象が頻発しています。そのような中で、商業施設の現状を打破する要素として「展示会」の在り方、ブースの考え方が、見直され始めています。つまり、「アート系空間デザイン」によって店舗デザインを考えるのではなく、「ビジネス系空間デザイン」によって店舗を構築する、という考え方です。展示会デザインは、基本的に「ビジネス系空間デザイン」の概念によってつくられるもの。このことから、今後の店舗デザインは、展示会デザインとの手法の融合が進んでいく、と想像ができます。


CASE STUDY

01/CASE-01 | LIVING DESIGN CENTER OZONE

Panasonic|展示会ブースデザイン装飾|新宿OZONEショールーム|SWITCH STYLING LAB Panasonic|展示会ブースデザイン装飾|新宿OZONEショールーム|SWITCH STYLING LAB Panasonic|展示会ブースデザイン装飾|新宿OZONEショールーム|SWITCH STYLING LAB Panasonic|展示会ブースデザイン装飾|新宿OZONEショールーム|SWITCH STYLING LAB Panasonic|展示会ブースデザイン装飾|新宿OZONEショールーム|SWITCH STYLING LAB  

 

「館」全体からの発想で、集客の最大化を図る手法

Switch Styling Lab|Panasonic様
LIVING DESIGNING CENTER OZONE

東京、新宿にある「リビングデザインセンター」OZONEは、住宅設計・店舗設計に関わる様々なショールームが集まる施設。その中で、今回はPanasonic様の新しいスイッチ・コンセントをメインで紹介するショールームを考えることとなりました。このショールームデザインに当たっては、当社が全体監修を行い、詳細の設計は店舗設計事務所に依頼。チームで対応しました。限られたサイズのショールームにおいて、いかに多くのお客様(設計者等)にお越しいただくか。いただいた条件が、「基本的に無人運営に」とのことだったため、「いっそのこと、OZONEを訪れた人が全員活用できるような場所にしよう」と考えました。そこで、この場所を「ショールーム」ではなく、「OZONE」を訪れた人の「打合せスペース」として捉え直し、「打合せ」をする傍らついでのように「自然にスイッチ等の商品を見る」という場所にしよう、と。「スイッチ・コンセント」だけの訴求の場所のみの目的ではスイッチ・コンセントに用事がある人しか足を踏み入れてくれない場所になりますが、「打合せ場所」と定義し直すことで、より多くのお客様が立ち寄ってきやすくなります。このことから、ショールームの中央には大きなテーブルを設置。そのテーブルを囲むようなL型壁面を設け、その外部には738個のスイッチを取り付けました。壁面上下部を開けることで、視線を遮りつつも内部の様子を感じることができる工夫を行っています。


内部は、館内を訪れた方が誰でも使用できるミーティングスペースとして計画。適度な「囲い」を施し、利用しやすい空間としています。
 

館内を歩く人のアイキャッチになるような壁を設けました。738個のスイッチプレートはついつい「押したくなる」ように企図しています。
 

02/CASE-02 | KYOTO

正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン 正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン  

 

「言葉」を重視した、展示会デザイン発想の店舗

メガネ店|正眼堂様
ラクセーヌ商店街

様々な商業施設、路面の店舗を見ていると、「言葉が足らない」と日頃感じています。商品を所狭し、と陳列する一方で、それらの商品の説明がほとんど、ない。とてもデザインのよい、きれいな店舗なのに、読みにくい店舗名が表記されているものの、何の店舗なのかが分からない。このような「言葉足らず」の店舗がとても多い、と感じています。昨今のオンラインストアやテレビショッピングでは、過剰なくらいにその商品について説明をするのに、リアル店舗になると「分かるでしょ」とばかりに商品のみが置かれている。そんな店舗が多い。京都市の西、洛西に位置する「ラクセーヌ」内にある「正眼堂」さんの店舗は、「展示会ブース的な考え方で店舗を構成する」をテーマに、言葉を重視し、変更しやすいレイアウト、什器類によって構成、デザインを行いました。特に重視したのは「言葉」。店舗スタッフの皆さんに、日頃お客様に「話しかける言葉」「呼びかける言葉」「投げかける言葉」を書き出していただき、店舗内の各所に散りばめました。展示会では集客を行うために「言葉」を重視します。20m前から読める言葉。10m前から読める言葉。目の前で読む言葉、など。今回のこのメガネ店では、遠くからは「タペストリー」に記載した文字、「目、つかれてへん?」と言った投げかけの言葉。そして、壁面には視力検査の時に使う「記号(ランドルト環)」を掲示。店舗の外から思わず自分で「ひとり視力検査」をしてしまうように壁面グラフィックのデザインを行っています。「店舗内を見つめて、勝手に壁面を見つめている人」を見つけたら、声を掛ける。そんな「人を呼ぶ」店舗になっています。

正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン

店舗オーナー・スタッフの皆さんが日頃使用する「言葉」を書き出していただき、その中から選んだ言葉をタペストリーに表記しています。
 
正眼堂|店舗・ショールームデザイン|メガネ店|ラクセーヌ|スーパーペンギン

壁面には、お客様にお伝えしたいキャッチコピーとともに、ついつい「やってみたくなる」表記を散りばめました。これにより店舗に関心を持ってもらいます。
 

03/CASE-03 | SHINJUKU SUMITOMO BUILDING

MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン  

 

「大人なカップル」が行ってみたくなる店舗へ

MEMBERS GUILD|東京テアトル様
新宿住友ビル

この物件は当社が発足した初期の頃にデザインした飲食店です。既にこの店舗はありませんが、作られた場所は新宿住友ビルの49階。超高層ビルの上層階ということで眺望のよい一等地の飲食店でした。ご依頼の内容は古くなってきた内装のリニューアル。デザインを考えるに当たって、どんな客層にこの場所に来てほしいのか。実際にこのビルにはどんな人が来ているのか。このことを調べ、結果として「紳士な大人が、女性をエスコートして訪れる隠れ家的なBARのようなイメージ」を目指しました。黒とシルバーを基調とし、照明は照明デザイナーの方と相談し、ピンポイントのみを照らす雰囲気のある計画に。そして、眺望を最大限楽しんでいただくために、窓の左右にある柱壁には「ダークミラー」を一面に設置し、新宿の夜景が目の前に広がるような工夫を行っています。コンセプトを明確にすることで、店舗自体の格を高める。そんなデザインにしています。

MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン

改修前の店内。明るいイメージのレストラン風でしたが、古くなってきたために改修することに。これを機にコンセプトを見直しました。
 
MEMBERS GUILD|店舗・飲食店デザイン|スーパーペンギン

照明は、照明デザイナーに依頼。カーテン生地メーカーとコラボしたオリジナル照明を製作しました。
 

DESIGN CATEGORY

スーパーペンギン・展示会ブースデザイン装飾・空間デザイン会社 スーパーペンギン・展示会ブースデザイン装飾・空間デザイン会社

 SUPER PENGUIN/Archieves[デザイン実績ページ] >

上記以外の当社のブースデザイン事例をまとめた実績集サイトです。このサイト以外にもPinterest、Instagramなどもありますので合わせてご参照ください。いずれのブースもシンプルな形状に見えますが、来場者の心理を軸に構成した空間デザインとなっており、余計なものを省き、集客を企図したブース形状となっています。これらは単にデザインを行っただけでなく、集客の結果を出すことを目的にデザインを行っており、全てのブースで集客などの結果を出しています。
 
 
DETAIL

当社の実績写真は本ページと「Pinterest」の他に、上記の「WEBサイト」にも多く入れています。当社は、雑貨、化粧品をはじめ機械系、IT系、食品系、学会系など様々な分野のブースをデザインしています。ブースに集客を行うための基本的なロジック(考え方)はどの業界のブースでも共通ですが、業界ごとに少しずつ特徴があります。例えば、食品系の展示会ブースの場合は真っ白スッキリのブースではだめで、「センスのよい賑わい」を感じさせるブースである必要があります。壁面の余白をなるべく少なくし、ブース全体に賑わい、もしくは力強さのようなものを反映させること。このように業界ごとにちょっとした特徴があるのです。そして、それら全ての業界のブースに共通して必要な考え方は、「空間デザイン」である、ということ。とは言え、「空間デザインって漠然として分からない」という方がほとんどだと思います。「空間デザイン」とは、その空間の主人公である「来場者の心理」を軸にして考えること、とでも言いましょうか。来場者はブースの前でどのように考えるのか、どこを見るのか、どう動いてほしいのか。そのようなことを考え、その考えを反映するようにブースを構成すること、それが空間デザインです。当社は、もともとは建築・インテリアデザインを行う「空間デザイン会社」です。その特徴を活かし、「結果の出るブース」「結果につながる意図を持った形状、空間をブースに変換し常に提案しています。